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紀尾井町で「奇跡の一本松の根」を見た

2022-06-26
カテゴリ:行ってみた!
こんにちは
いつもありがとうございます。

鉄と石で皆様の生活を応援する
やまじゅう産業です。

千代田区紀尾井町へ
行ってきました。

紀尾井町といえば、
旧武家 紀州家 尾張家 井伊家
御三家の頭文字をとった
由緒ある場所です。

下世話な話
坪あたりの地価が
平均800万円強
驚きの価格です。

大きさは東京ドーム4個分ほどの
エリアにたった400人の住民。

昔は回転していた巨大展望レストランで
有名なホテルニューオータニが
あるところといえばピンと
来ますでしょうか。
そんなおそれ多い場所の
とんでもない建物の中に
とんでもないものが
飾ってあるというので
甲斐の山の中から
見学に来ました。

目的の近くにくると
なにやら全面ガラスで覆われた
コンクリートむき出しの
建物がありました。

もしやこれではないかと
不安がよぎりましたが、
「なんなんじゃ この建物は」
第一声でした。

コンクリートの打ち放しといえば
いまや表面がガラス化しているような
光沢のある肌が主流の中。
昭和初期の田舎の
鉄筋コンクリート造の
建物の左官工事をする前の
ような風貌。

いまでは
昔つくったトンネルでしかみられない
カンナもかけていない型枠の木目が
そっくり残っているような
肌のコンクリートです。

さらに内圧に耐えられず
型枠がはれ上がって
表面が波打ってしまった。
建設検査では
絶対に指摘されるような状態。

もう2年前に完成していると
聞いていましたが。
建設途中かと勘違いしてしまいます。

それでも見ているうちに
転写された木目が
コンクリートの無機質と融合して
少しだけ生命感を得たようです。
そうやってみると
無機質と有機質に関する
何かのメッセージなのか。

飽きが来ない風合いが
でているといえます。

中に入って またなおびっくり
この巨大な建物を
たった4本の柱が支えているでは
ありませんか。
そこに直径13メートルの根と
直径1.3メートルの幹が
ドカーンと展示されています。

一度建物の一部を解体して
開口しなければ入らない大きさ。
どうやって入ったか
考えると眠れなくなっちゃいます。

また根の下の床の部分は
瓦製造工場の窯業窯からでる
廃棄前の耐火レンガを
再利用されています。

今から11年前に
東日本大震災で津波の被害を受けた
陸前高田の7万本の松林。

その中で唯一残った
奇跡の ど根性一本松。

たった一人でも生きていくんだと
住民どころか東北全体を
勇気づけていた一本松。

枯死が確認されて
地面から上は剥製というのだろうか
特殊な樹脂とカーボンファイバーで
補強されて、再び現地へ建てられました。

前述の幹は建てられたが、
地面下はコンクリートになってしまい。
根の部分は行き場を失って
樹脂を施され保管されていました。

この建物の設計者のご縁で
展示に至ったとのこと。
根の展示を見た後
奇跡の一本松のメイキングビデオが
あるというので2階へ移動しました。

これまたびっくり
建物5階までと表現していいのか
根を展示してあるところを
ふくめないと4階となります。
すべて吹き抜けになっています。

9つの特殊な巨大な明り取りと
中を覗き込めるような
歩道と緩やかな長い階段。

一瞬、だまし絵のように
階段を上っても、
いくつく先は下の階と錯覚してしまう
不思議な空間が広がっています。

この建物を設計した方と
依頼した方の自由な発想と
お金の使い方には
度肝を抜かれました。

どうやったらこういう
建物を建てられるのか
そこにいる間
ずっと考えていました。

目的がないけど
確かにそこに存在する
そして忘れない
また会いたい。
そんな建物でした。

それではまた。
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